NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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映画祭レポート、掲載されました

 今週、ゲイ雑誌G-men最新号(2009年10月号)が発売されました。夏・8月ということで、野郎っぺーガチムチさんが沢山登場しています。


 そんなG-men最新号の瓦版コーナーで、先月開催された「第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」のレポート(取材・撮影・文:赤杉康伸)が掲載されています。個々の作品レビューというよりは、イベント全体のレポートという形式です。


 余談ですが、今回のG-menの表紙を飾るお二人(あのKONG兄貴とKUROさん)が自分と同い年と知り、少々ショックのアカスギです(笑)。

G-men (ジーメン) 2009年 10月号G-men (ジーメン) 2009年 10月号
(2009/08/21)
不明

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あらためて『分断の街で』

 以前こちらでも報告しましたが、某ゲイ・メディアでレポートを執筆するため、先月開催の第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭へ毎日通っておりました。で、先日、そのレポート記事が入稿となったのですが、各作品のレビューというよりは、映画祭全体を通しての感想や総評がメインとなりました。

 もちろん、記事を掲載するゲイ・メディアの読者層が関心を持ちそうな作品やトークセッションについては、概要や感想を盛り込んだのですが、毎日通っていながら、大部分の作品については記事内で触れることが無くもったいない・・・。

 ということで今回のエントリーを手始めに、記事では執筆していない作品のレビューなどを不定期でアップしていこうかなと思っています(もちろん、某ゲイ・メディア編集部さんの許可済みです)。

 で、今回はドキュメンタリー作品『分断の街で』についてです。


 エルサレム唯一のゲイバー「シュシャン」。この「シュシャン」を経営するサアル・ナタネルは、エルサレムで初めてオープンリー・ゲイとして市協議会議員を務めている。「シュシャン」には、宗教、民族、差別の壁を越えて、レズビアンやゲイが集い合っている。

 ヨルダン川西岸から壁を越えてやって来るパレスチナ人のブーディは、エルサレム初のドラァグクイーンでもある。イスラエルの兵士であったユダヤ人のアダムは、ゲイプライドパレードの最中に同胞のユダヤ人に刺された。ユダヤ人とアラブ人のレズビアン・カップルであるサミラとラヴィトは、夜ふと目覚めたときに互いへの敵対心や憎しみを感じてしまい、悲しくて二人で泣いてしまったこともある。「自分の息子や娘が異教徒や敵国人と交際するぐらいならば、レズビアンやゲイであるほうがまだまし」と話す親もいれば、レズビアンやゲイである実子を受け入れられない親もいる。

 日本で暮らしていると、宗教や文化の壁、そして民族や国境にまつわる紛争というのはなかなか実感しづらい問題のように思えます。しかし、この『分断の街で』では、どの登場人物もこれらの難問に対峙せざるを得ない。今年の映画祭は、社会的な作品がちらほらと散見され、ゲイの恋愛劇という体裁をとっている作品でも家族問題や移民問題などを取り入れている作品が多かった。中でも『分断の街で』は社会派作品の最たるものだと思います。

 さて、エルサレムはイスラム教・ユダヤ教・キリスト教という3つの宗教にとっての聖地です。2005年にエルサレムで開催されたゲイプライドパレードでは、普段は反目しあっている3つの宗教が「反同性愛」という軸で共闘し、パレード当日に参加者が刺されて死傷者が出るという事件も起きました。これに対し、サアル・ナタネルはエルサレムでのパレードを再開させようと奔走。協力を求めるため、サアル・ナタネルはテルアビブのレズビアン&ゲイコミュニティ向けに説明会を開きます。

 エルサレムから車で1時間ほどのテルアビブは、イスラエルで一番の近代都市であり、中東全体で同性愛に対し最も寛容な都市なのです。しかし、テルアビブのレズビアン&ゲイたちは「何を言っても聞く耳を持たない連中たちにアクションを起こしても無駄」と、サアル・ナタネルの呼びかけに否定的な反応を示します。


そのテルアビブで、今月1日(現地時間)、同性愛者を対象にした殺傷事件が発生しました。

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同性愛者会合で銃乱射2人死亡…テルアビブ(読売新聞)

 
【エルサレム=長谷川由紀】イスラエル中部テルアビブで1日深夜、同性愛者の会合が開かれていた建物に男が乱入して銃を乱射、会合の参加者2人が死亡、約10人が負傷した。男は逃走し、警察が行方を追っている。

 建物には、同性愛者支援団体の事務所があり、この日は、地下の部屋で10代の同性愛者を支援するための会合が開かれていた。同国最大都市のテルアビブは毎年、大規模なゲイ・パレードを行うなど、同性愛者に寛容なリベラルな土地柄で知られる。

 ただ、ユダヤ教超正統派などは同性愛に否定的で、2005年にはエルサレムでゲイ・パレード参加者が刺される事件も起きている。

(2009年8月2日20時37分 読売新聞)

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同性愛者たまり場のクラブで乱射事件、死傷者 テルアビブ(CNN)

イスラエル警察当局者は1日、最大都市テルアビブにある同性愛者のたまり場となっているクラブで同日夜、乱射事件が発生、少なくとも2人が死亡、11人が負傷したと述べた。3人が重体。

死亡したのは26歳男性と17歳少女。

クラブから徒歩で逃走した覆面姿の男を追っている。テルアビブでは過去に、パレスチナ強硬派による爆弾テロが起きたことがあるが、今回の事件はテロではなく、同性愛者を憎悪した犯行とみている。

テルアビブはイスラエルで、同性愛者の多いことで知られるが、ユダヤ教保守派の反発も買っている。

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テルアビブで殺傷事件・・・。あの映画のシーンで、サアル・ナタネルの呼びかけに対して否定的な反応を示したテルアビブのレズビアン&ゲイたちは決して冷淡だったのではなく、「自分たちもまた、いつ危険と隣り合わせになるか分からない」ということを知っていたのだなぁと、今回の事件のニュースを耳にしてあらためて感じました。『分断の街で』はまさにリアルを切り取った作品だったのです。

 なお、韓国系アメリカ人であり、レズビアンでもある本作の監督、ユン・スーさんのトークセッションを今回の上映後に見ることが出来ました。彼女自身、韓国出身ということで、戦争する両当事者のことが身近な問題として分かるからこそ、今作のテーマに関心を持ったとのことです。

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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