NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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「日本家族〈社会と法〉学会」 学術大会見学

 10月下旬から11月上旬にかけて、国立民族学博物館(通称:みんぱく)主催の公開講演会「世界の結婚事情-セネガル、中国、フランスから考える」に行ったり、日本弁護士連合会主催の「シンポジウム『今こそ変えよう!家族法』婚外子差別・選択的夫婦別姓を中心として」に足を運びました。同性カップルの法的保護を考える上で、関連分野の現状を知ったり、いわゆるLGBT関係者だけではない方々とも繋がっていくことが大事だと思っていたので。

 その締め(?)として、11月6日の土曜日、「日本家族〈社会と法〉学会」学術大会を見学しに、私も含めて5名のグループで、つくば市にある筑波大学のキャンパスへ行ってきました。午前中からの学会ということで、前日の仕事後につくばで前泊し、当日は広大な筑波大学キャンパスをバスで移動するなど、ちょっとした小旅行というか遠足気分でした。


 今回、同性カップルの法的保護という観点上、立命館大学の二宮周平教授の「事実婚の多様性と法的保護の根拠」や、京都産業大学の渡邉泰彦教授の「同性パートナーシップの法的課題と立法モデル」が参考になりました。

 渡邉教授のご報告は、世界各国における同性カップルの法的保護の方法(内縁/パートナーシップ契約/登録パートナーシップ/同性間の婚姻)が非常によくまとめられており、有益な資料も添えられていて今後とても役立ちそう。5年ほど前、「ドメスティックパートナー制度」がテーマの某会合で、渡邉教授と土屋ゆきさん、そして私の3名で講師役を務めたことがあり、今回の休憩時間には久々にご挨拶もしました。

 法律婚制度を柔軟化しても、婚姻制度を利用しない/できないカップルのニーズがある限り、選択肢の多様化や事実婚の保護(財産関係の規律やケアの配分)が必要であるとの二宮教授のご報告も意義深いものでした。「多様化は、法規制からの自由ではなく、法によって実現される平等が不可欠。平等によって達成される自由なのではないか?」との問題提起も二宮教授ならではでした。二宮教授とも直接お会いするのは5年ぶりくらいだったのですが、やはり休憩時間にご挨拶しました。                           

 その他にも、谷口洋幸さんのご報告「性同一性障害/性別違和をかかえる人々と家族形成」では、性同一性障害者特例法の反射的影響としての当事者の分断が発生したり、性別変更前に婚姻関係にある場合は「婚姻継続か性別変更か」という選択が当事者に迫られるという点が指摘されていました。さらに性別変更後に子どもを持つ可能性については、「性別違和をかかえる人々は子をもつべきではない」という考え方があるとも指摘なさっていました。
 
 渡邉教授や二宮教授の他にも、司会を務められていた早大の棚村政行教授とも初めてご挨拶したり、修士論文で「フランスにおける非婚カップルの法的保護-パックスとコンキュビナージュの研究」を執筆された北大大学院 法学研究科 助教の大島梨沙さんともご挨拶しました(実は今春、某友人の結婚式で大島さんとは同じ会場にいたのですが、ご挨拶するのはこれが初めてでした)。個人的になかなか実りのある学会見学でした。

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同性カップル間の養子縁組、どうなる?

 一昨日、「不自然な養子縁組、法務省が全国実態調査(読売新聞、2010年11月3日)」という記事を見つけました。

 記事の概要は、「不自然な養子縁組」が相次いでいることから法務省が全国実態調査に乗り出したというもの。調査では今年1~3月の間、自治体へ申請があった縁組のうち、「養親と養子に年齢差がない」「短期間に養子縁組を繰り返している」など不審なケースの報告を求めています。法務省は「不正な目的で養子縁組が利用されているのは問題。現場レベルでふさわしい対応策を検討している」とのことです(記事全体は上記リンクから飛んで、読んでくださいね)。

 今回、債務をゼロにしたり詐欺を行なったりするための「不正な目的」で養子縁組が行なわれていないかという調査なわけですが、記事中、不審なケースとして「養親と養子に年齢差がない」という文言が入っていたのが気になりました。同性婚/パートナーシップ法のない日本では、その代替として、同性カップル間での養子縁組が相当数存在した(というか存在する)と思われるからです。

 私が執筆・編集に携わった『同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-』(社会批評社、2004年では)では、養子縁組を行なった名古屋市在住の男性カップルへのインタビュー記事があります。男性カップルへのインタビューには私も加わりましたが、「現在の日本で、同性カップルが法的な家族となるにはこれ(=養子縁組)しか手段がない」という旨の発言は今でも印象深いです。
 
 「養子縁組によって同性カップルの法的保障を図ろう」という動機づけ自体は全く問題なくても、養子縁組はあくまで「親子」となるための制度。今回の法務省による実態調査を機に、同性カップルの養子縁組を取り巻く環境がどうなるか(要は、同性カップルが養子縁組しにくくならないかどうか)気になるところです。

 ただし、今回の調査を機に、今まで具体的な数字として現れることがなかった、法的保障を求める同性カップルの存在が顕在化する可能性もあります。ある程度の実数が判明すれば、「これだけの人たちが、同性カップルの法的保障(や、各分野での個別的な保障)を必要としている」という根拠になるかもしれません。


 日本では、今まで手厚い法的保障の養子縁組が存在したから、同性婚/パートナーシップ法を求める機運がなかなか盛り上がらなかったとも考えられるわけで、今回の法務省実態調査が及ぼす影響を注意深く見守っていきたいと思っています。


同性パートナー―同性婚・DP法を知るために同性パートナー―同性婚・DP法を知るために
(2004/07)
赤杉 康伸土屋 ゆき

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国勢調査問題 番外編

 先程まで3本のエントリーにわたって、国勢調査における「同性カップル 誤記処理」問題について延々と書いてきました。

 その1で取り上げた上川あや世田谷区議会議員が言及なさっていたように、「こういう風になってほしいなぁ」と思うだけの「タナボタ」では政治的解決は難しい。立法府や行政府への請願権が憲法上、万人(非有権者(=外国籍の方や法人、未成年など)にも)に保障されているし、もっと身近なところではパブリックコメントなどを活用する手もある。

 政治は自分の身近な生活に密接に携わっているし、その政治を変えるのは、結局自分たち市民の行動でしかない。シンプルではあるけれど、重く大切な事実です。上川さんの問題提起にあらためて感謝したいと思います。



 また、その2・その3では、松浦大悟参議院議員(秋田選挙区選出、民主党・新緑風会)について取り上げました。

 番外編なので少々書くのですが、松浦さんとはお知り合いでもあって、私が今年4月の頭、四谷の夜桜(上智大学近くの桜が毎年とてもきれい)を観に行こうと仕事後に赤坂見附近辺を歩いていたら、松浦さんと偶然バッタリ会いました。暫く立ち話をして別れ、桜を一人で観ながらケータイでTwitterをチェックしたら、松浦さんが「さっき赤杉さんと道でばったり会いました。これから夜桜を見に行くそうです」と時間差実況中継してくださっていました(笑)。

 そんなおちゃめさがある一面、今回のように、現在、立法府や行政府で意識されることもなく、票の取れる政策課題とも思われていないであろう(実際、その2で取り上げた総務省担当課長の発言にも、その意識は透けて見える)性的マイノリティの問題について調査・国会質問を果敢に行なう行動力には最大の敬意を払いたいと思います(と、ネットでお知り合いに伝えるのは少々不思議な感じですが)。

 早速というか、ネット上では松浦さんの国会質問に対して「批判のための批判」もごく一部で起こっているようです。しかし、先程アップしたその3のエントリーで引用した議事録を確認すると、その批判は的外れ(=松浦さんの発言内容をしっかりと追えていない)なように思えます。なにより、具体的で実現可能なプランを欠く「アレが足りない」的なバッシングは、実際に行動する人の気持ちを萎れさせるのではないかと、個人的な経験上も思います。



 実際に行動を起こしてくださる方々への感謝と敬意を持つこと(と、応援の気持ちを形にして伝えること)。そして、一市民としての自分が出来ることについて考え、出来る範囲で実際に行動すること。「国勢調査問題」を機に、そんなことを忘れずにいたいなとあらためて思いました。

国勢調査問題その3(松浦大悟参議院議員の国会質問編)

 前回のエントリーで紹介したように、国勢調査における同性カップルの記入・統計の仕方について、総務省の担当課長・部長とやり取りを行なった松浦大悟参議院議員(秋田選挙区選出、民主党・新緑風会)。去る10月18日、その松浦さんが参議院決算委員会の締めくくり質疑で質問者として登場しました。


*参議院インターネット審議中継やYouTubeで、松浦さんの質問シーンを視聴することができます。
 
◯参議院インターネット審議中継の録画分では http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php  で「会議名:決算委員会」「開催日:2010年10月18日」「発言者:松浦大悟」で検索できます。松浦さんの前半25分頃からが性的マイノリティについての質問です。

◯YouTubeでは、「2010年10月18日 【参議院】決算委員会 松浦大悟(民主党).part2」の10:05以降で性的マイノリティの問題について言及されています。



 質問の後半部分において、松浦さんはまず「自殺のハイリスク層」として性的マイノリティが存在することについて言及しました。それに対して、自殺問題を担当する岡崎トミ子 国家公安委員長 兼 内閣府特命担当大臣(消費者・食品安全・少子化・男女共同参画担当)は、「ハイリスクの方々のその要因につきましては、きめ細かな対応が求められている」「性同一性障害ですとかハイリスクの皆さんたちに対して、様々な困難を抱えているそういう方々に対する支援、しっかり手が届くようにしていきたいというふうに考えております」との答弁を行ないました。

 さらに、国勢調査において同性カップルの存在が想定されておらず、配偶者として記入すると「誤記扱い」になる問題点等を指摘しました。議事録が参議院ホームページに掲載されましたので、以下、関連部門を引用します。


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○松浦大悟君 
(前略)
 ところで、最近、性的マイノリティーに対する理解がまだまだ進んでいないなと感じる出来事がございました。
 国勢調査について性的マイノリティーの方々から回答しにくいという御意見をいただきまして、総務省の担当課長にお尋ねしたところ、先生も御地元抱えていらっしゃるんでしょう、こんな問題に興味を示すより地元活動をされたらどうですかと言われました。大変残念な思いがいたしました。
 国勢調査では同性カップルをどう扱うのかという質問をしたんですけれども、母国で正式に同性結婚をしている外国人で現在日本に住んでいる方でも別世帯として扱うんだそうです。たとえ配偶者の欄に記入しても、それは誤記、誤って記されたものと処理をされるということでした。
 統計調査として同性カップルを項目に入れている国も多いわけですから、現実をしっかり把握するためには私は必要ではないかと思っているんですが、総理はどうお考えになっているでしょうか。

○国務大臣(片山善博君) 国勢調査の記入内容につきましては、今委員のおっしゃったようなことであります。これは、言わば記入の正確さを追求するなどの観点から、統計委員会に諮った上で決定して今回の実施に至ったものであります。
 今後のことにつきましては、これは委員が今おっしゃったようなことも含めて、性的マイノリティーの問題も含めて、今後の国勢調査の在り方をどうするかは、有識者の意見、それから統計委員会にまた諮ったりしながら今後検討していきたいと思っております。

○松浦大悟君 性的マイノリティーであってもひとしく国民であることに違いはないわけで、あなたは想定外だと言われればだれだって悲しむわけでございます。来年、次は五年後ですけれども、次の国勢調査の在り方についての審議会も立ち上がるということでございますので、こうした声があることをしっかりと踏まえた対応がなされるものと期待をしたいと思います(後略)。

 
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 「母国で正式に同性結婚をしている外国人で現在日本に住んでいる」人でも、国勢調査では別世帯として扱われる。いわんや、日本人の同性カップルをや、ということで、同性カップルにおける「誤記処理」問題を松浦さんが質問として取り上げました。それに対して主務官庁である総務省の片山総務大臣が「性的マイノリティーの問題も含めて、今後の国勢調査の在り方をどうするかは、有識者の意見、それから統計委員会にまた諮ったりしながら今後検討していきたいと思っております」との答弁を行ないました。

 国会の場で、性的マイノリティの問題について言及がなされたのは大きな第一歩です。松浦さん、本当にありがとうございます。今後は、2つ前のエントリーで紹介した上川あや世田谷区議会議員がおっしゃるように、次回国勢調査に向けて、有権者たる同性カップル当事者たちが統計として記録されるよう働きかけを行なうことが大事になってくると思います(パブリックコメントなどの場で)。

(番外編へ続く)

国勢調査問題その2(松浦大悟参議院議員の調査編)

 前回のエントリーで取り上げた、国勢調査における同性カップルの記入・統計の仕方について、松浦大悟参議院議員(秋田選挙区選出、民主党・新緑風会)が、10月上旬に総務省の統計調査部国勢統計課長さんにお話を聞きました。それをうけての松浦さんのTwitter上での呟きは以下の通り(注:文中で出てくる課長さんの名前は、このブログでは伏せます)。

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 昨日は、複数の方から問い合わせがあった同性パートナーにおける国勢調査の記述の仕方について、総務省統計調査部国勢統計課長の◯◯◯◯さんにお話を伺ったのだが、正直その回答に戸惑っている。

 ◯◯課長に「同性結婚の認められている国で結婚した日本人同性カップルで、現在は日本に住んでいる人の『世帯主との続き柄』は『世帯主の配偶者』となるのか?」と尋ねたところ、「その場合は『世帯主とその他』で集計し、別世帯となります」とのこと。

 

「それでは、母国で正式に同性結婚し、現在は日本に住んでいる外国人の場合は?」と尋ねたところ、「それも別世帯として扱います」という。理由を聞くと、「国勢調査は将来の人口がどうなるかを見るもので、男女の間が大前提。この精神は譲れない」のだとか。

 また「いまでもプライバシーに踏み込みすぎていると指摘されているのに、そんな(同性カップルの)集計などできない。」「そんなことをすれば、何のためにするのだと反対運動がおこってくる。気運を踏まえなければならない。」とも。

 以前、「子供を何人持ちたいですか」との質問項目に国民から大反発があり、国勢調査に暗雲が立ち込めたことがあったそうだ。そのトラウマから、「冒険的なことはできない」のだという。同性カップルはすぐくっついたり離れたりするので「瞬間的な調査には意味がない。」とも。

 一通り聞き終えた後、◯◯課長にこう言われた。「私も秋田県出身で両親はまだ秋田に住んでるんですがね、松浦先生について私の両親も言ってましたよ。あの人、何の活動してるのか見えないって。こんなこと(性的マイノリティ問題)に興味を持つより、地元活動したほうがよいのではないですか?」。

 国勢調査は、◯◯課長が言うように、子供が産めるカップルだけに注目している調査ではない。HPには「調査の結果は、児童福祉、高齢者の介護・医療、若者の雇用対策など、私たちの暮らしのさまざまな分野で役立てられる大切なデータとなります」とある。

 いまや10組に1組は不妊カップル。高齢結婚で、子供を持ちたくても持てない人もいる。「この国のかたち」がどうなっているかを正確に知り、将来の施策に生かすのが国勢調査の目的ではないだろうか。

 現に日本に存在する同性カップルに目をつぶりカウントしなければ、この国において同性カップルはいつまでたっても透明な存在として扱われることとなる。

 アイスランドの首相やドイツの外相が同性結婚をする時代。あまりにかけ離れた日本の国勢調査担当者の感覚にめまいを覚えた。そして…、その後、再び◯◯課長から電話がかかってきた。今回の私の要望を政務官に報告したのだという。その話は、また後日。

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 先ほどのエントリーで引用したとおり、国勢調査の結果は公式HPでも「国勢調査から得られる様々な統計は、国や地方公共団体における各種の行政施策を立案するための基礎資料として用いられることはもとより、国民の共有財産として研究・教育活動、経済活動など幅広い分野で利用され」ると説明されています。

 それなのに、「国勢調査は将来の人口がどうなるかを見るもので、男女の間が大前提。この精神は譲れない」という担当課長さんの発言は少々視野が狭いのではないでしょうか。それに加えて、行政官が松浦さんの選挙区事情や政治活動を揶揄するニュアンスで発言するのも、相当感じが悪い。

 しかし、その数日後、さらに動きがあったようです。さらに松浦さんのTwitter上の発言より。

 
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 総務省統計局統計調査部長の××××さんが会館事務所に来てくださり、先日の国勢調査での◯◯課長の件を謝ってくださいました。「公務員の側から先生の選挙区の話題を出していうことではなかったし、これ失礼です、はっきりいって。」

 「中立たる公務員としていかがなものかと思いますので、その点はいっぺん注意しましたし、もう一度厳しく言っておきます。うちの統計局の名誉に関わる問題だし、信用に関わる問題ですから。」

 ××部長はとても真摯に対応してくださいました。その上で、私からもう一度国勢調査についてお願いしました。「性的マイノリティといっても、等しく国民には違いないわけですから想定外の扱いを受けることは大変傷つく。今回のデータには反映できないとしても、丁寧に扱ってほしい。」


 ××部長は「国勢調査は大正9年からですから90年の歴史があって連続性はむろん重視しなければだめなんですが、一方で我々も時代時代に合わせて進化しなければならない。」

 「前回、有識者会議のようなものを開いてその中で広域的に議論をした。来年以降、集計まとまった段階で(会議を)やらなきゃだめだなと局長共々申しておりますので、その中の問題の一つとしてそうした問題提起があったということを受け止めやていきます。そこは我々フラットにやっていきますので。」
 
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 担当部長さんは非常に真摯だったようです。国勢調査は連続性が重視される一方、時代時代にあわせて進化もしなければならないという旨の担当部長さんの言葉を引き出したのが、松浦さんのアクションであったのは間違いないでしょう。

(その3に続く)

国勢調査問題その1(上川あや世田谷区議の問題提起編)

 一ヶ月以上エントリーをアップしないで過ごしてしまいました…。Twitterではかなり呟いていたのですが、仕事でバタバタしてたり、仕事後に色々ミーティングが入ったりして、まとまった文章を書く時間がありませんでした。と言っても、「時間は自分で作るもの」なので、書くモチベーションが上がらなかったのが、最大の原因かもしれません。

 さて、今年の10月頭は5年毎に実施される国勢調査の回答・回収期間でした。個人的にはパートナーと同居し始めてから初めての国勢調査でした。東京都に在住する場合、インターネット上でも回答することが可能だったので、「それじゃ楽チン」と、わりと安易に捉えていました。そんな国勢調査の1週間前、世田谷区議会議員の上川あやさんがTwitter上で、以下のように呟きました。

「10月1日から始まる国勢調査の区の担当課長に同居する同性カップルは「夫婦」として届け出る(自己申告できる)余地があるのか否か、正面から確認をお願いしてみた。どういう見解が示されるのだろう…?」


 その後、上川さん→世田谷区役所の担当課→東京都→国へと問い合わせた結果、同居する同性間で相手を「配偶者」として届け出ることは可能。ただし、国の集計では同性婚は想定外なので「誤記」として「その他」にソートされるだろうとのこと

 
 ちなみに、総務省統計局ホームページに載っている「国勢調査とは」「平成22年国勢調査の意義」は以下の通り


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「国勢調査とは」


国勢調査は、我が国の人口・世帯の実態を明らかにすることを目的として行われる国の最も重要な統計調査です。

国勢調査は、日本国内に住んでいるすべての人・世帯を対象として5年ごとに行われます。

平成22年(2010年)に行われる調査は、大正9年(1920年)を第1回として、19回目に当たります。

国勢調査では、10月1日現在、日本国内にふだん住んでいるすべての人を、ふだん住んでいるところで調査します。このため、日本に住んでいる外国人も、国籍に関係なく、調査の対象となります。

国勢調査から得られる様々な統計は、国や地方公共団体における各種の行政施策を立案するための基礎資料として用いられることはもとより、国民の共有財産として研究・教育活動、経済活動など幅広い分野で利用されます。



「平成22年国勢調査の意義」


平成22年国勢調査は、我が国が本格的な人口減少社会となって実施する最初の国勢調査です。

我が国の人口は、少子・高齢化の進展により平成16年をピークとして減少局面に入りました。

平成17年に人口が減少となった後、出生率がやや高くなったこともあって「横ばい」で推移しましたが、自然減少に歯止めがかかるには至っておらず、総人口は平成20年から再び減少となり、我が国は過去に例のない人口減少社会を迎えたところです。

我が国の社会・経済は、人口減少が進む中、出生率の回復、高齢者介護・医療の維持、年金・社会保障制度の安定化、経済活力の維持、地域の社会機能の維持、高齢者の就業延長、若年層の雇用の安定化など、様々な重要課題に直面しています。

平成22(注:ホームページ原文のママ)国勢調査の結果は、国及び地方公共団体において、こうした重要課題に対処し、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展のための施策の策定・推進基盤となる情報として活用されるとともに、国民や企業等が国及び地域の現状や課題について適切に理解し分析できるよう、広く一般の利用に供されるものです。

日本社会の直面する様々な課題について考える上では、前回(平成17年)の国勢調査の結果が参考になります。

過去の主な調査結果を見るには、平成22年国勢調査のホームページ「国勢調査でわかること~日本の今を知り、日本の未来を考える~」をご覧ください。

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 「我が国の人口・世帯の実態を明らかに」することを目的とした国勢調査で、現に同居する同性カップルが捕捉されないというのは、同性カップルが統計上「ないものとされる」ことではないか?正直、同性パートナーと同居する人間としては気持ち良いものではありません。

 で、上川さんは以下のようにTwitter上で呟かれています。確かにその通りなので、全文アップ。

 事ここに至った要因としてどうだったのかな…?と思うのは、前回17年の国勢調査の翌年から早速、次回国勢調査(来月に開始)の実施に向け、項目・手法の再検討が繰り返されてきたのに、その過程で同性カップルが統計上のるよう、おそらく誰も働きかけてこなかったであろうこと。タナボタでは難しい…

 同性カップルは国勢調査の「想定外」は悔しいけれど、前回調査から5年…その間、「私たちも想定してください」と言う人が一人もいなかったとしたら改善は難しかったかも。調査手法を検討する審議会の議事録集もチョロ見したけれど、キーワード検索でもそれらしき発言のヒットはゼロ。考えてしまった…


 
(その2へ続く)

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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