NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BBMより泣けたBon Voyage

 昨日のエントリーでも書きましたが、11月3日の「Living Together Lounge」に行ってきました。で、肉乃小路ニクヨさんのショーのドラァグクイーンショーを久々に見てきました。本編は越路吹雪のショーでそれも面白かったのですが、松坂慶子のシャンソン リサイタル音源「Bon Voyage」のショーがとても良かった…。



 シャンソン リサイタル音源「Bon Voyage」の内容はだいたい以下の通り。



------------------------------------------------------------



 松坂慶子と仲の良い、新宿の「オカマバー」(観光バー?)のマスター(60代)は若い男と付き合っていた。マスターは若い男が眠った後にメイクを落として眠り、若い男が起きる前に起きだしてメイクをして、常に綺麗な状態で若い男に接していた。



 しかし、マスターも60代。疲れていたのか、ある日寝過ごして、ステテコを穿いてサロンパスを貼った姿を若い男に見られてしまった。そして若い男に「マスターも歳だねぇ」と言われ、逃げられてしまった。



 その冬、そのマスターが、東北地方の雪が降る道で行き倒れて死んでいるのがみつかった。マスターはその道の先の大きな旅館の一人息子だが、高齢で一人旅館を切り盛りする母親にはカミングアウトをしていなかった。生前、マスターは松坂慶子に語っていた。「慶子ちゃん、自分は大きな旅館の一人息子なんだ。本当は自分が後を継がなきゃいけないんだけど、自分がオカマだって親には言ってないから、帰れないんだ。でも、帰りたいな。帰りたいよ、慶子ちゃん…」。



 そんなマスターは、松坂慶子をなぜか可愛がっていました。「慶子ちゃん、あんたといると気をつかわなくて楽だわ。だって私たち、女同士だもんね。女同士…」。



------------------------------------------------------------



このストーリーを松坂慶子が語りながら、間で、東北弁の「Bon Voyage」を唄うのです。最初の「新宿の『オカマバー』」の部分では、会場から大笑いが起こるのですが、マスターと松坂慶子が憑依したかのようなニクヨさんの迫真のリップシンクショーに周囲はしだいに引き込まれ、固唾を飲んで見守っていくようになるのです。



 実はこのショー、某店の周年パーティーで見たことがあるんだけど、その時も会場の空気がだんだん変わっていくのが感じられ、最後には涙を流している人も結構いた(その一人が私)。今回も内容は知っているはずなのに、まんまと泣かされてしまったのです(涙を流している人は少なかった気もするが)。



 なんかね、個人的には、映画「ブロークバック・マウンテン」(以下、BBM)よりもずっと感動したんですね、「Bon Voyage」のショー。BBMを映画館でパートナー氏と一緒に見たときは、「良い映画だなぁ」とは思ったんだけど、いまいち実感としてピンとこなかった。その後、ゲイの諸先輩の解説や思い入れをたくさん聞くことになったんだけど、それでも「良い映画だなぁ」という以上の感慨は残念ながら起こらなかった(BBMファンの方、ごめんなさい! 決して貶そうということではないんですよ)。



 が、今回の「Bon Voyage」は本当に泣けた。それって、色々な意味でリアリティを感じたからだと、後から自分で分析して思った。まず、アメリカのお話であるBBMに対して、日本のお話である今回の「Bon Voyage」。そして、雪が降る情景というのも、北海道出身の自分にとっては、とてもリアリティがあるというか郷愁を感じた。



 それになにより、自分も、タイミングや取る選択が変わっていれば、「親に絶対カミングアウトできない」と思い続けていたかもしれない。なんてったって、2000年の2月(やはり冬!)、ゲイ雑誌が見つかって母親にカミングアウトするまでは、「自分は家族にはカミングアウトできない」「ゲイとして生きたいから東京に出なきゃ」と思っていたクチですから。





 「だから、みんなカミングアウトできればいいのに」みたいな安易な流れに、今の自分は与しない。それでも、いつもは一人生きていても、なにかあった時に、精神的に支えになるような共振できる仲間 -それはセクシュアリティやジェンダー、年齢関係なく- がいると、人生は彩り豊かになるのかなと思った。マスターが松坂慶子に言っていた、「慶子ちゃん、あんたといると気をつかわなくて楽だわ。だって私たち、女同士だもんね。女同士…」のような共振し、共感できる仲間の存在…。

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://novsblog.blog37.fc2.com/tb.php/19-5590ce7c

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

月別アーカイブ

最新記事

カテゴリ

未分類 (5)
日記 (131)
各種活動告知・報告 (117)
LGBT関連ニュース (114)
趣味(音楽・スポーツ等) (35)
ポリティカルなこと (65)
2009年 東京国際L&G映画祭 (2)
LGBT (0)

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2Ad

Template by たけやん

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。