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LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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読売新聞で同性カップルの共有財産・相続についての記事

 時事ネタのふたつめ。

 YOMIURI ONLINE(読売新聞)で、同性カップルの共有財産・相続についての法律相談記事が掲載されています。具体的な話の流れは以下の通り。


 30年間生活をし飲食店を経営してきた女性カップル。カップルの片方が亡くなった後、残されたパートナーには「事実上の共有財産(故人名義)」と「名義を半分ずつにして共有していたマンションの一室」がありました。

 しかし、事実上の共有財産については故人のご兄弟が相続し、マンションについては売却して、その代金を故人のご兄弟とパートナーが折半することになった(=つまり残されたパートナーとしては住居を売らなければならなくなった)…というお話です。


 相談に応じる方のスタンスは淡々としつつもニュートラルですし、締めの部分で異性間でも婚姻届を出していない関係の場合は同じ問題が起こり得ることを指摘するなど、同性カップルだけの特殊な問題としていないところが個人的には良いと思いました。

同性愛夫婦に突きつけられた相続の現実(YOMIURI ONLINE)


 最近、時代が変わったと思うのは、テレビに出演しているタレントさんたちで、同性愛的な趣味があることを隠さない人が増えているという点です。昔もそういう人はいたのでしょうが、今のようにオープンではなかったと思います。

 今回、相談に見えた美鈴さん(仮名)は68歳で、女性同士で長年にわたり夫婦同様の暮らしを続け、“夫”にあたる存在だった富士子さん(仮名)を70歳で亡くされたといいます。

 2人は東京都心部の繁華街で30年間、飲食店を経営していました。気風のいい富士子さんが厨房を担当、細やかな気遣いができる美鈴さんが注文を取ったりお運びをしたりと、2人のコンビで店はなかなか繁盛していたそうです。だからこそ30年もお店が続いたのでしょう。

 人生と仕事の両面でのパートナーだった富士子さんを失った美鈴さんの悲しみは、計り知れないほど大きかったことでしょう。富士子さんが亡くなったことで、長らく続いたお店も閉めざるを得ませんでした。

 そんな美鈴さんを、さらなるショックが襲ったのは、お葬式を終えて数週間がたった後のことでした。富士子さんの兄弟が、富士子さんの遺産を相続すると通知してきたのです。富士子さんのご両親はすでに亡くなっていますが、兄と弟が一人ずついます。

 アメリカには、同性同士の結婚を合法化している州があると聞きますが、日本ではそれは認められていません。富士子さんは美鈴さんと同居していただけで、「独身」だったと見なされるわけですから、相続人は法的には、兄と弟の2人ということになるのです。
2人で築いた財産と家まで失う

 富士子さんの残した財産は、具体的には、富士子さん名義の口座で管理してきたお店の運転資金800万円と、美鈴さんと2人で住んでいたマンションの二つ。マンションは2分の1ずつの共有名義とのことでした。こうした場合には、(1)運転資金は全額、富士子さんの兄弟が相続(2)マンションは売却して、その代金を富士子さんの兄弟と美鈴さんで折半する――という対処になるのが一般的です。

「2人で築いてきた財産なのに、1円も残らないばかりか住むところもなくなるなんて、おかしいじゃないですか」

 最初は淡々と話されていた美鈴さんですが、説明が細部に及ぶにつれて、声も大きくなり、涙ながらの訴えになってきました。しかし、そんな美鈴さんに私が問いかけることができたのは、この一言だけでした。

 「遺言書はお作りになっていましたか」

 残念ながら答えは「否」でしたが、遺言書で「富士子さんの財産を美鈴さんに」「美鈴さんの財産を富士子さんに」それぞれ贈ると書いてあれば、同性愛の関係であろうが親兄弟がいようが財産分けは確実に行われます。あるいは、富士子さんと美鈴さんが養子縁組していれば、法的に相続人の一人となるわけですから、全額ではないにせよ財産分与はされます。

 女性同士であれ、2人で共同して形成された財産ですから、美鈴さんのようなケースは不合理だし、かわいそうだと感じられる方も少なくないでしょう。しかし、今の法律ではどうにもなりません。法律は個人の事情を斟酌してはくれないのです。

 男と女であっても、婚姻届を出していない、いわゆる「内縁」の関係にある場合は相続権がありません。時代は変わっていますが、法律は時代に合わせてタイムリーに変わるわけではないのです。「誰に財産を残したいか」を考えて、必要に応じて、早めに対応策を講じておくことをお勧めします。(おわり)

(相続手続支援センター本部 半田貢)



半田 貢

昭和47年、中央大学経済学部卒。昭和53年 シグマジャパン株式会社設立 代表取締役就任。平成 9年 社会保険労務士ネットワーク設立、現在255人の社労士が参加。定例研修会、研究  会を開催している。平成15年11月、相続手続支援センター設立し。株券・自動車の名義変更から登記・税務申告までを弁護士、税理士、司法書士、社労士とネットワークを組み、ワンストップサービスを行っている。

(2009年04月28日 読売新聞)

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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