NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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国勢調査問題その2(松浦大悟参議院議員の調査編)

 前回のエントリーで取り上げた、国勢調査における同性カップルの記入・統計の仕方について、松浦大悟参議院議員(秋田選挙区選出、民主党・新緑風会)が、10月上旬に総務省の統計調査部国勢統計課長さんにお話を聞きました。それをうけての松浦さんのTwitter上での呟きは以下の通り(注:文中で出てくる課長さんの名前は、このブログでは伏せます)。

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 昨日は、複数の方から問い合わせがあった同性パートナーにおける国勢調査の記述の仕方について、総務省統計調査部国勢統計課長の◯◯◯◯さんにお話を伺ったのだが、正直その回答に戸惑っている。

 ◯◯課長に「同性結婚の認められている国で結婚した日本人同性カップルで、現在は日本に住んでいる人の『世帯主との続き柄』は『世帯主の配偶者』となるのか?」と尋ねたところ、「その場合は『世帯主とその他』で集計し、別世帯となります」とのこと。

 

「それでは、母国で正式に同性結婚し、現在は日本に住んでいる外国人の場合は?」と尋ねたところ、「それも別世帯として扱います」という。理由を聞くと、「国勢調査は将来の人口がどうなるかを見るもので、男女の間が大前提。この精神は譲れない」のだとか。

 また「いまでもプライバシーに踏み込みすぎていると指摘されているのに、そんな(同性カップルの)集計などできない。」「そんなことをすれば、何のためにするのだと反対運動がおこってくる。気運を踏まえなければならない。」とも。

 以前、「子供を何人持ちたいですか」との質問項目に国民から大反発があり、国勢調査に暗雲が立ち込めたことがあったそうだ。そのトラウマから、「冒険的なことはできない」のだという。同性カップルはすぐくっついたり離れたりするので「瞬間的な調査には意味がない。」とも。

 一通り聞き終えた後、◯◯課長にこう言われた。「私も秋田県出身で両親はまだ秋田に住んでるんですがね、松浦先生について私の両親も言ってましたよ。あの人、何の活動してるのか見えないって。こんなこと(性的マイノリティ問題)に興味を持つより、地元活動したほうがよいのではないですか?」。

 国勢調査は、◯◯課長が言うように、子供が産めるカップルだけに注目している調査ではない。HPには「調査の結果は、児童福祉、高齢者の介護・医療、若者の雇用対策など、私たちの暮らしのさまざまな分野で役立てられる大切なデータとなります」とある。

 いまや10組に1組は不妊カップル。高齢結婚で、子供を持ちたくても持てない人もいる。「この国のかたち」がどうなっているかを正確に知り、将来の施策に生かすのが国勢調査の目的ではないだろうか。

 現に日本に存在する同性カップルに目をつぶりカウントしなければ、この国において同性カップルはいつまでたっても透明な存在として扱われることとなる。

 アイスランドの首相やドイツの外相が同性結婚をする時代。あまりにかけ離れた日本の国勢調査担当者の感覚にめまいを覚えた。そして…、その後、再び◯◯課長から電話がかかってきた。今回の私の要望を政務官に報告したのだという。その話は、また後日。

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 先ほどのエントリーで引用したとおり、国勢調査の結果は公式HPでも「国勢調査から得られる様々な統計は、国や地方公共団体における各種の行政施策を立案するための基礎資料として用いられることはもとより、国民の共有財産として研究・教育活動、経済活動など幅広い分野で利用され」ると説明されています。

 それなのに、「国勢調査は将来の人口がどうなるかを見るもので、男女の間が大前提。この精神は譲れない」という担当課長さんの発言は少々視野が狭いのではないでしょうか。それに加えて、行政官が松浦さんの選挙区事情や政治活動を揶揄するニュアンスで発言するのも、相当感じが悪い。

 しかし、その数日後、さらに動きがあったようです。さらに松浦さんのTwitter上の発言より。

 
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 総務省統計局統計調査部長の××××さんが会館事務所に来てくださり、先日の国勢調査での◯◯課長の件を謝ってくださいました。「公務員の側から先生の選挙区の話題を出していうことではなかったし、これ失礼です、はっきりいって。」

 「中立たる公務員としていかがなものかと思いますので、その点はいっぺん注意しましたし、もう一度厳しく言っておきます。うちの統計局の名誉に関わる問題だし、信用に関わる問題ですから。」

 ××部長はとても真摯に対応してくださいました。その上で、私からもう一度国勢調査についてお願いしました。「性的マイノリティといっても、等しく国民には違いないわけですから想定外の扱いを受けることは大変傷つく。今回のデータには反映できないとしても、丁寧に扱ってほしい。」


 ××部長は「国勢調査は大正9年からですから90年の歴史があって連続性はむろん重視しなければだめなんですが、一方で我々も時代時代に合わせて進化しなければならない。」

 「前回、有識者会議のようなものを開いてその中で広域的に議論をした。来年以降、集計まとまった段階で(会議を)やらなきゃだめだなと局長共々申しておりますので、その中の問題の一つとしてそうした問題提起があったということを受け止めやていきます。そこは我々フラットにやっていきますので。」
 
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 担当部長さんは非常に真摯だったようです。国勢調査は連続性が重視される一方、時代時代にあわせて進化もしなければならないという旨の担当部長さんの言葉を引き出したのが、松浦さんのアクションであったのは間違いないでしょう。

(その3に続く)

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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