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LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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西根由佳衆議院議員(日本維新の会)が、衆議院法務委員会で質問を行ないました

 去る3月15日(金曜)、衆議院法務委員会において、日本維新の会の西根由佳衆議院議員が、

・「外国人高度人材に対するポイント制による出入国優遇制度」に関連して、「外国人が帯同する、外国で法的に登録された同性パートナーが日本で配偶者として認められない」問題

・公務員や教員の採用試験において、LGBTを見つけ出すような心理試験が用いられているという問題

について質問で取り上げ、谷垣禎一法務大臣(自由民主党 前総裁)の見解を問う場面がありました。

 西根議員は、LGBTという言葉の説明も織り交ぜながら質問を行ない、質問の途中では「今後もこの問題について質問を行なっていきます」とおっしゃってくださいました。西根議員、本当にどうもありがとうございます!

 今年2月、私が共同代表を務める「特別配偶者法全国ネットワーク」の事務局メンバーで、国会議員会館の西根議員事務所を訪問させていただいたのですが、西根議員ご自身も秘書さんも、この問題についてとても真剣にお話を聴いてくださいました。今回の質問も、そういった西根議員の姿勢の表れだと思います。

 「公務員や教員の採用試験において、LGBTを見つけ出すような心理試験が用いられているという問題」については、「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」さんのブログ記事で詳しく記載があるので、このブログでは、「外国人が帯同する、外国で法的に登録された同性パートナーが日本で配偶者として認められない」問題についての質問と答弁の概要をアップします。正式な議事録がアップされていないので、あくまで概要なのですが、ご容赦ください。

*なお、西根議員の質問を含む、当該法務委員会の審議は衆議院インターネットTV アーカイブでも視聴可能です。当該問題についての西根議員による質問と谷垣法務大臣による答弁は、4時間49分くらいから始まります。


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(西根議員)
高度人材が帯同する配偶者についての質問。配偶者の要件は入管法には定めがないので、民法の解釈により異性の配偶者のみを認める運用だと聞いている。この理解で間違いないか?

(谷垣法務大臣)
入管の処理の上では、日本国の国内法によって配偶者と認められる者を配偶者として扱っている。

(西根議員)
同性愛者であるパトリック・リネハン米国大阪・神戸総領事の同性パートナー(カナダで同性婚を行なっている)に対して、2011年9月 日本政府が外交官の配偶者としてビザを出した。これは外交官だけへの特例か?それとも外国人高度人材に対するポイント制による入国優遇制度でも適用されるのか?

(谷垣法務大臣)
外交関係に関するウィーン条約「外交官の家族の構成員、その所帯に属する者は…」という扱いの中で認められている。そのため、外交官以外に影響を及ぼす措置ではない。

(西根議員)
激しい競争に晒されているグローバル企業(ゴールドマン・サックス、日本IBM、Googleなど)は、LGBTの人材に対するアプローチや、同性カップルへの福利厚生を打ち出している。LGBTへの無理解を続けると、優秀な人材を逃すという、企業の危機感の現れである。企業がグローバル競争を勝ち抜く、その環境を作るのが政府の役割と考えている。LGBTの権利が保障される社会を作るのが最終的な理想だが、まずは成長戦略の一環として、高度人材の同性配偶者帯同を検討してほしい。

(谷垣法務大臣)
成長のためにはどのような制度が必要かというのは極めて重要な視点であることは私も否定しない。現在、日本の家族法・親族法等々が、委員(=西根議員)のおっしゃるような方向ではないのは、やはり日本人の考える家族観と申しますか、そういうものが背景にあるという風に私は思っている。今後それがどういう議論になっていくかというのは、これからの課題だが、少なくとも現状においては、私どもは今の日本の民法あるいは入国法に従って判断するという以上にはお答えができない。

(西根議員)
この問題については、これからも質問を行なう。

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 谷垣法務大臣の答弁については、読み手によって意見が別れるとは思います。私の個人的な見解としては、安倍内閣の一員として閣内不一致にならないよう、踏み込んだ答弁ができなかったのかなとまず思います。

 その上で、自民党の中でも最も穏健保守というかリベラル保守である宏池会の流れを汲む谷垣法務大臣が、同性の配偶者について全否定ではなく、「今後それがどういう議論になっていくかというのは、これからの課題だが」と含みを持たせたところに意味があると思います。「よし、じゃ、これからまた頑張ろうじゃないの」と私自身のネジを巻き直すきっかけにもなりました(笑)。

 また、LGBT関連の質問が始まると、委員会室がざわめいていましたが、それでも果敢に質問を行なってくださった西根議員には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。委員会審議のアーカイブ映像を見るとわかりますが、委員会室のざわめきに戸惑っている西根議員に対して、「頑張れ!頑張れ!」と斜め後ろから応援の声を出していた辻元清美議員(民主党)にも本当に感謝。

 今回の質問に対して、もしかすると、「外国人のケース、しかも高度人材に限るのか」「人権の視点ではなく、グローバル企業や成長戦略にフォーカスを当てるのか」という批判があるかもしれません。しかし、政治は、絶対的な正しさの追求ではなく(もしそうだとしたら、「多様性の尊重」「共生社会」なんて絵に描いた餅です)、多様な人々が持つ利害や意見の調整こそが本義。LGBTが非LGBTからあるべき姿や正しさを押し付けられる謂われがないように、LGBTが非LGBTに対してあるべき姿や正しさを押し付ける謂われもないのです。

 決して100点満点ではないにしても、対立する利害や意見の人にとって乗りやすい方向から仕掛けていくのも、戦略の一つ。最初の一穴があってこそ、二の手三の手を仕掛けることができるのです。ましてや、質問の中で「LGBTの権利が保障される社会を作るのが最終的な理想」とおっしゃった西根議員は、そのことを良く分かっていらっしゃるはずです。

 あと一点。LGBTの中でも政治的な党派性は多様だと思います。しかし、日本維新の会の西根議員に、民主党の辻元議員が応援の声をかけていたように、この問題については、党派を超えて協力的な議員さんを各党に一人一人増やしていくことが大切。自分が支持する党派とは別党派の議員さんだとしても、素晴らしい質問や取り組みについては、党派を超えて謝意や応援の気持ちを伝えませんか?

 私も、自治体レベルながら議員の連れ合いをしているので実感があるのですが、議員さんやそのスタッフさんも人間ですから、やはり応援してくれる人のためには、もっと頑張ろうと思うわけです。批評もまた大切な行為ではありますが、「批評家」が非常に多くなったこの時代、感謝や応援の気持ちを素直に伝えることも大切にしたいです。

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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