NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

党派を超えたLGBT施策への取り組み、始まるか?

 自由民主党政調会長 稲田朋美代議士の「LGBT:すべての人にチャンスが与えられる社会を」という記事が、ハフィントンポスト日本版サイトに掲載されました。

 今年9月末、ワシントンでの講演でもLGBT施策の必要性について触れた稲田さん。今回は、学校での教育や職場での差別の問題など、より具体的な問題に踏み込んでいます。同性婚についても、「日本で意見が収斂するのはまだ先であろう」としつつ、「私はこの問題で日本の社会が二分されるのは望んでいない。あくまでも原点は、生まれながらにおかれた境遇や身体的状況によって差別がなされてはいけないということ」と決して否定的には断じていません。

 なにより、

 「そのような社会(赤杉注:「すべての人々が生まれながらに置かれた境遇や身体的状況によって差別されることがあってはならず、すべての人々にチャンスが与えられる社会」のこと)を実現するためには、LGBTでない人が問題意識を高めどうしたらいいのか議論を深めること。そこに政治家の役割があり、保守もリベラルも関係はないと考える」

と、党派性を超えてLGBTが抱える問題に取り組むことの重要性について、国政与党第一党の政策責任者が言及しているのは非常に意義深いと思われます。

  ここ1~2週間ほど、自由民主党の自治体議員による同性愛に関する残念な発言が相次いでいますが、その議員さんや所属する支部の方々に「貴党の政調会長はこのように発言なさってますが、いかがお考えですか?」と問いかけてみるのも良いかもしれません。

  私は9月末の稲田さん講演に際して、自分のブログ記事「LGBT政策の実現に向け、どこまで透徹して戦略的・現実的であるべきか?」(10月2日付け)で以下の通り書きました。この点、今も同じ考えです。

------------------------------------------

 恐らく、SNSで私と繋がっている人の多くは「そう言ったって、稲田氏は信用できない!」「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と思っていらっしゃる事でしょう。中道主義~穏健中道左派主義者の赤杉康伸としては、確かにそう思うところも多分にあります。

 ただし、国政レベルにおけるLGBT政策を現実的に進めたいロビイストやロビイング団体等にとって、稲田氏の今回の発言は大いなる「好機」になる可能性があります。繰り返しになりますが、これは、国政与党第一党の政策責任者が行なった発言なのですから。

 ロビイング団体を含む利益団体・圧力団体とは、政治学的に「特定の集団の利益を図るべく政治活動を行う団体で、目的を実現するために政治に組織的に影響力を及ぼす」(wikipedia「利益団体」より)団体のことです。合法的に使えるものであれば何でも使って、政策実現を図るのが、本来的なロビイング団体なのです。

 仮に、LGBT政策を現実的に進めたいと考えている、戦略的で透徹しているロビイストであれば、「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と問われたとしても、迷わず即座に「Yes」と答えるでしょう。というか、ロビイストであるならば、そう答えなければ間違いなんじゃないかとさえ、私個人としては思います。

 私は今、活動を全面的にお休みさせていただいてますが、ロビイング活動している時の自分ならば、やはり即座に「Yes」と言うでしょう。
 
 LGBTが社会的な認知を得ていくということは、かつてのような「LGBT政策=進歩主義的・左派的」(「リベラル」という、曖昧に取り得る言葉は、敢えてここでは使いません)という専売特許的な構図が崩れ、(その人の内心や本心はどうであれ)各党派でLGBT政策の必要性を唱える議員が増える事を意味します。つまり、稲田氏発言のようなケースは、今後ますます増える事が予想されるわけです。

------------------------------------------


 また、10月27日付けのブログ記事「超党派的活動と党派的活動の分化が必要」では以下のように書きました。今後、以下の方向に動くことを個人的には望んでいます。

------------------------------------------

 今後は、各党派でLGBT政策・施策の必要性を唱える政治家が増えることが予想されます。そうした状況において、ロビイストや活動家が影響を及ぼそうとするためには、多様な関係者=各党派の政治家への働きかけ、いわゆる「全方位外交」が必要となってくるからです。
 
 さて、欧米各国では、「全方位外交」を行なうLGBTロビイング団体の他に、「各政党の党員による、党内当事者・支援者グループ」「各政党の支持・支援団体や圧力団体メンバーによる、団体内当事者・支援者グループ」というものがあります。それらのグループは、自分たちが所属する/支援する政党や団体内部に働きかけ、LGBT政策・施策の推進を目指しています。
 
 例を挙げて言うと、アメリカ合衆国の共和党には、LGBT当事者・支援者の党員によるグループ「ログ・キャビン・リパブリカン(Log Cabin Republicans)」 http://www.logcabin.org/ が存在し、共和党がLGBT施策を推進するよう、共和党内部での働きかけを行なっています。
 
 翻って日本では、「LGBT政策・施策の実現に向け、超党派的にロビイング活動を行なうLGBT活動家・専門家や団体」「自らの党派性を明示した上で、党派的な活動の一環として、LGBT政策・施策の必要性を訴える活動家・専門家や団体」が、今まではやや未分化な状態であったかと思います。
 
 正確に言えば、「党派性を帯びた(=これ自体は悪くないし、生きている以上、党派的であること自体は当然なのですが)活動家・専門家や団体が、『LGBT(全体の利益)のために』と謳いつつ活動しているケース」が多かったという印象を個人的には持っています。率直に言えば、「あなた、それはLGBTコミュニティの一員として発言してるの?それとも、××党の党員・支持者として発言してるの?」と確認したくなる場面が、これまで何度も見受けられました。
 
 今後、LGBT政策・施策実現を目指す活動に厚みを持たせる上でも、「LGBT政策・施策の実現に向け、超党派的にロビイング活動を行なうLGBT活動家や団体」「自らの党派性を明示した上で、党派的な活動の一環として、LGBT政策・施策の必要性を訴える活動家や団体」が分化していくことが、個人的には望ましいと考えています。

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://novsblog.blog37.fc2.com/tb.php/483-3456ab71

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

月別アーカイブ

最新記事

カテゴリ

未分類 (5)
日記 (131)
各種活動告知・報告 (117)
LGBT関連ニュース (114)
趣味(音楽・スポーツ等) (35)
ポリティカルなこと (65)
2009年 東京国際L&G映画祭 (2)
LGBT (0)

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2Ad

Template by たけやん

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。