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LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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「受益に見合う負担」と「民主主義に要するコスト」~「社会」なき日本政治に関する一考察

「高福祉には高負担(と、それ相応の健全財政)が必要」という意識の下、公約として増税を国政選挙で掲げようとした故 大平正芳さんや菅直人さん(大平さん:1979年総選挙、菅さん:2010年参院選)。そんな彼らが党内事情により、増税の公約化を断念せざるを得なくなる日本政治は、悲しい。

宏池会の領袖だった大平さんと、社会民主連合出身の菅さん。穏健保守や(欧州的な)社民主義には、「ある程度充実した福祉には、それ相応の負担が必要」という原則があり、二人ともそれに忠実であろうとしたのだと思う。二人とも蔵相・財務相経験があるのも、興味深い。

政治において、「打ち出の小槌」なんて結局のところないのだから、受益にはそれ相応の負担が必須なわけだけど。日本では保守主義を標榜する政党も、社会民主主義を自称する政党も、進歩主義に立脚しているであろう政党も、選挙時に決してそこに触れようとはしない。

国会議員の定数について、削減しろという声は多数だが、「巨大な行政をチェックする立法府」という観点から、定数を維持すべきという声はほとんど聞こえてこない。国民性という言葉で片付けるのは嫌いだけど、「民主主義にかかるコストを払いたがらない」のは国民性なのかと思ってしまう。

「(政治の場でも、市民同士の場でも)立場の違う人とも社会を構成し、プラットフォームを共有し、公共性をともに作り上げている」感覚が有権者・政党ともに薄いから、「福祉に見合った負担」「民主主義に要するコスト負担」の議論が深まらないのかなと思う。

高度成長期からの転換期にあたって保守政治の質的転換を図ろうとしたであろう大平さん(同日選最中での急逝が悔やまれます)と、ある意味で欧州的な社民主義者たろうとした菅さん。もう少し再検証というか再評価がされても良い気がします(菅さんはまだ現役ですが)。

日本において、欧州的な社民主義の担い手の第一は、社会民主連合。その次が(あくまで擬似的にではあるけれど)90年代くらいまでの宏池会…と個人的には思う。ここに社会党や社会民主党が出てこないのが、日本政治における中道左派不毛の一つの要因だと思う。

なにはともあれ、福祉や受益に見合う負担を提示しない政党や候補者は、信用しないことにしている私です。

余談:社会民主連合は、結成から解党に至るまで、所属国会議員数が常に一桁の政党。それだけの小規模でありながら、出身者の菅直人さんが内閣総理大臣(内閣)、江田五月さんが参議院議長(国会)と、三権の長のうちの二権につき長を務めたという意味で、かなり異色の政党だったりします。

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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