NOV'S BLOG

LGBTやSOGI(性的指向・性自認)に関する政治動向・理論や活動などについて、主に綴っているブログです。

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超党派での取り組み・補遺


先日、私が「LGBT政策・施策については超党派で取り組むべき」「超党派的なロビイングと、党派的な活動は分化すべき」というメッセージを発したのは、ご存知かと思うのですが。

その後、「赤杉は特定の党派に媚びを売っている」「節操がない」という言説が、ツイッター等で流れているようです(というか、私自身、目にしてしまった(笑))。

私は「LGBT政策・施策におけるロビイングに関しては、超党派・全方位外交で取り組むべき」と言っただけで、その他の政策分野については言及していません。

それに、超党派的なロビイングが嫌であれば、「自分の党派性を明示した上で」(←ここ大事)党派的な活動や主張をすれば良いわけです。その事についても、以前のブログ記事で触れています。

政治とは「多様な人々による、多様な利害の調整」です。だからこそ立場の違う人同士、議論や対話を続けることが重要であることを、今一度申し添えて、私からの見解としたいと思います。

党派を超えたLGBT施策への取り組み、始まるか?

 自由民主党政調会長 稲田朋美代議士の「LGBT:すべての人にチャンスが与えられる社会を」という記事が、ハフィントンポスト日本版サイトに掲載されました。

 今年9月末、ワシントンでの講演でもLGBT施策の必要性について触れた稲田さん。今回は、学校での教育や職場での差別の問題など、より具体的な問題に踏み込んでいます。同性婚についても、「日本で意見が収斂するのはまだ先であろう」としつつ、「私はこの問題で日本の社会が二分されるのは望んでいない。あくまでも原点は、生まれながらにおかれた境遇や身体的状況によって差別がなされてはいけないということ」と決して否定的には断じていません。

 なにより、

 「そのような社会(赤杉注:「すべての人々が生まれながらに置かれた境遇や身体的状況によって差別されることがあってはならず、すべての人々にチャンスが与えられる社会」のこと)を実現するためには、LGBTでない人が問題意識を高めどうしたらいいのか議論を深めること。そこに政治家の役割があり、保守もリベラルも関係はないと考える」

と、党派性を超えてLGBTが抱える問題に取り組むことの重要性について、国政与党第一党の政策責任者が言及しているのは非常に意義深いと思われます。

  ここ1~2週間ほど、自由民主党の自治体議員による同性愛に関する残念な発言が相次いでいますが、その議員さんや所属する支部の方々に「貴党の政調会長はこのように発言なさってますが、いかがお考えですか?」と問いかけてみるのも良いかもしれません。

  私は9月末の稲田さん講演に際して、自分のブログ記事「LGBT政策の実現に向け、どこまで透徹して戦略的・現実的であるべきか?」(10月2日付け)で以下の通り書きました。この点、今も同じ考えです。

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 恐らく、SNSで私と繋がっている人の多くは「そう言ったって、稲田氏は信用できない!」「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と思っていらっしゃる事でしょう。中道主義~穏健中道左派主義者の赤杉康伸としては、確かにそう思うところも多分にあります。

 ただし、国政レベルにおけるLGBT政策を現実的に進めたいロビイストやロビイング団体等にとって、稲田氏の今回の発言は大いなる「好機」になる可能性があります。繰り返しになりますが、これは、国政与党第一党の政策責任者が行なった発言なのですから。

 ロビイング団体を含む利益団体・圧力団体とは、政治学的に「特定の集団の利益を図るべく政治活動を行う団体で、目的を実現するために政治に組織的に影響力を及ぼす」(wikipedia「利益団体」より)団体のことです。合法的に使えるものであれば何でも使って、政策実現を図るのが、本来的なロビイング団体なのです。

 仮に、LGBT政策を現実的に進めたいと考えている、戦略的で透徹しているロビイストであれば、「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と問われたとしても、迷わず即座に「Yes」と答えるでしょう。というか、ロビイストであるならば、そう答えなければ間違いなんじゃないかとさえ、私個人としては思います。

 私は今、活動を全面的にお休みさせていただいてますが、ロビイング活動している時の自分ならば、やはり即座に「Yes」と言うでしょう。
 
 LGBTが社会的な認知を得ていくということは、かつてのような「LGBT政策=進歩主義的・左派的」(「リベラル」という、曖昧に取り得る言葉は、敢えてここでは使いません)という専売特許的な構図が崩れ、(その人の内心や本心はどうであれ)各党派でLGBT政策の必要性を唱える議員が増える事を意味します。つまり、稲田氏発言のようなケースは、今後ますます増える事が予想されるわけです。

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 また、10月27日付けのブログ記事「超党派的活動と党派的活動の分化が必要」では以下のように書きました。今後、以下の方向に動くことを個人的には望んでいます。

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 今後は、各党派でLGBT政策・施策の必要性を唱える政治家が増えることが予想されます。そうした状況において、ロビイストや活動家が影響を及ぼそうとするためには、多様な関係者=各党派の政治家への働きかけ、いわゆる「全方位外交」が必要となってくるからです。
 
 さて、欧米各国では、「全方位外交」を行なうLGBTロビイング団体の他に、「各政党の党員による、党内当事者・支援者グループ」「各政党の支持・支援団体や圧力団体メンバーによる、団体内当事者・支援者グループ」というものがあります。それらのグループは、自分たちが所属する/支援する政党や団体内部に働きかけ、LGBT政策・施策の推進を目指しています。
 
 例を挙げて言うと、アメリカ合衆国の共和党には、LGBT当事者・支援者の党員によるグループ「ログ・キャビン・リパブリカン(Log Cabin Republicans)」 http://www.logcabin.org/ が存在し、共和党がLGBT施策を推進するよう、共和党内部での働きかけを行なっています。
 
 翻って日本では、「LGBT政策・施策の実現に向け、超党派的にロビイング活動を行なうLGBT活動家・専門家や団体」「自らの党派性を明示した上で、党派的な活動の一環として、LGBT政策・施策の必要性を訴える活動家・専門家や団体」が、今まではやや未分化な状態であったかと思います。
 
 正確に言えば、「党派性を帯びた(=これ自体は悪くないし、生きている以上、党派的であること自体は当然なのですが)活動家・専門家や団体が、『LGBT(全体の利益)のために』と謳いつつ活動しているケース」が多かったという印象を個人的には持っています。率直に言えば、「あなた、それはLGBTコミュニティの一員として発言してるの?それとも、××党の党員・支持者として発言してるの?」と確認したくなる場面が、これまで何度も見受けられました。
 
 今後、LGBT政策・施策実現を目指す活動に厚みを持たせる上でも、「LGBT政策・施策の実現に向け、超党派的にロビイング活動を行なうLGBT活動家や団体」「自らの党派性を明示した上で、党派的な活動の一環として、LGBT政策・施策の必要性を訴える活動家や団体」が分化していくことが、個人的には望ましいと考えています。

渋谷区・世田谷区での同性パートナーシップ証明発行開始に寄せて

昨日は色々と所用が立て込んでいたのですが、祝・渋谷区&世田谷区 同性パートナーシップ証明発行開始ということで、夜に連れ合いと一緒にフラッとirodoriさんへ立ち寄りました。

irodoriさんでは、昨日、渋谷区で同性パートナーシップ証明を無事受け取った、東小雪さん・増原裕子さんを囲んだパーティーが開かれていました。

久しぶりに会うお知り合い、そして初めて実際にお会いするSNS繋がりの方とも楽しくお話ができました。

渋谷区・世田谷区で昨日、同性パートナーシップ登録を行なったみなさん、あらためて本当におめでとうございます!

今回、ご尽力なされた両区の区議さん、首長さん、有志の区職員さん達の動きがあってこその、この動きだと思います。本当にありがとうございます!

そして、このアジェンダにおける「市民と行政との協働」に先鞭をつけた、両区在住の当事者や支援者のみなさんへ、心からの祝意と敬意を。

また、今日の状況が存在するのは、性的マイノリティの可視化に向けて様々な分野で活動されてきた諸先輩のお力に寄るところが非常に大きいと思います。そうした諸先輩の皆さんへも、感謝を捧げたいと思います。

LGBT政策の実現に向け、どこまで透徹して戦略的・現実的であるべきか?

アメリカ訪問中の自民党の稲田朋美政調会長が、9月30日にワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」で行なった講演で、以下のような内容を述べたとのこと

・なお、講演全文は、リンク先参照
http://www.sankei.com/smp/premium/news/151001/prm1510010009-s.html

「すべての人を平等に尊重し、自分の生き方を決めることができる社会をつくることに取り組みます。個人は生まれつきさまざまな特徴を備えています。そのことを理由としてその人が社会的不利益や差別を受けることがあってはなりません。保守政治家と位置付けられる私ですが、LGBT(性的少数者)への偏見をなくす政策をとるべきと考えています」

「本日は私の個人的な考え方を披露しましたが、私は米国において保守派と位置付けられるのでしょうか。自民党は日本の保守政党ですが、その思想は多様です。大事なことは、個人個人の個性を評価し、潜在能力を完全に発揮できるように支援する社会をつくること。また、一生懸命に努力し、成功する人を評価し、努力しても成功しない、または成功できない人を支援する社会をつくることです」

……(10秒間黙考)。

「姐さん、事件です!ホントですか???」、と稲田氏のこれまでの言動を見てきた人なら、そう思ってしまうでしょう。

今回は在ワシントンのシンクタンクにおける講演であり、引用部分にもある通り「本日は私の個人的な考え方を披露しましたが」と、後で弁明できるための、ある種の「保険」がかけられています。

ちなみに、引用した部分は、稲田氏の政治信条についての文脈で出てきています。稲田氏は同講演で、自身の政治信条について、こう述べています。

「次に、私の政治信条は『伝統と創造』です。真の改革とは、伝統を守りながら新しいものをつくることです。伝統なき創造は空虚、しかし創造なき伝統は枯渇なのです。守るべきものは守らなければなりません。また、この目標を達成するために、継続した改革が必要なのです」

ここで述べられている政治信条自体は、いわゆる本来的な(=政治思想的な)保守主義であり、特に異論はありません。

ただし、稲田氏の場合、今までの言動を見ると、「あなたって、単なる伝統原理主義者じゃね?」と思わされる事が非常に多い。しかも、そこで前提とされている「伝統」も、古代からのそれではなく、たかだか旧民法時代からの100年強のものだったりします。

が、講演を行なった場所や、個人的な信条かどうかはともかく、これは、日本の国政与党第一党の政策責任者が行なった発言である事には、間違いありません。

恐らく、SNSで私と繋がっている人の多くは「そう言ったって、稲田氏は信用できない!」「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と思っていらっしゃる事でしょう。中道主義~穏健中道左派主義者の赤杉康伸としては、確かにそう思うところも多分にあります。

ただし、国政レベルにおけるLGBT政策を現実的に進めたいロビイストやロビイング団体等にとって、稲田氏の今回の発言は大いなる「好機」になる可能性があります。繰り返しになりますが、これは、国政与党第一党の政策責任者が行なった発言なのですから。

ロビイング団体を含む利益団体・圧力団体とは、政治学的に「特定の集団の利益を図るべく政治活動を行う団体で、目的を実現するために政治に組織的に影響力を及ぼす」(wikipedia「利益団体」より)団体のことです。合法的に使えるものであれば何でも使って、政策実現を図るのが、本来的なロビイング団体なのです。

仮に、LGBT政策を現実的に進めたいと考えている、戦略的で透徹しているロビイストであれば、「LGBTの事にさえ取り組めば、他の事はどうでも良いのか?」と問われたとしても、迷わず即座に「Yes」と答えるでしょう。というか、ロビイストであるならば、そう答えなければ間違いなんじゃないかとさえ、私個人としては思います。

私は今、活動を全面的にお休みさせていただいてますが、ロビイング活動している時の自分ならば、やはり即座に「Yes」と言うでしょう。

LGBTが社会的な認知を得ていくということは、かつてのような「LGBT政策=進歩主義的・左派的」(「リベラル」という、曖昧に取り得る言葉は、敢えてここでは使いません)という専売特許的な構図が崩れ、(その人の内心や本心はどうであれ)各党派でLGBT政策の必要性を唱える議員が増える事を意味します。つまり、稲田氏発言のようなケースは、今後ますます増える事が予想されるわけです。

そうした時に、どこまで透徹して戦略的・現実的であるべきなのか?この点は、ロビイストや圧力団体以外のLGBT当事者や支援者にとっては悩ましい問題になってくると思われます(欧米諸国におけるLGBT活動も、そういった局面を経て、今日に至っています)。

「理念と利害」「理想と現実」にどう折り合いをつけていくのか。これはLGBT政策に限らず、政治について考え、そして実践する際の、永遠の命題なのかもしれません。

ちなみに。私個人としては、「議会勢力において中道右派・中道・中道左派が拮抗し(現在の日本においては、この点が既に難しいのですが…)、議論を経た上で、最終的に圧倒的多数の賛成でLGBT政策が実現する」ことが理想だったりします。

7/2 石坂わたるによる区議会一般質問への、田中大輔中野区長の答弁(LGBT関連)


 前回のエントリーで予告掲載した、石坂わたるの中野区議会一般質問、7月2日に行なわれました。

 正式な議事録は、区議会公式サイトに後日掲載されると思いますが、私が現地で傍聴し、メモしたベースでの田中大輔中野区長の答弁を、簡単に報告します。

田中大輔 中野区長:
すべての区民が参加し支え合うまちの構築とLGBTについてです。

生き方の個別性あるいは個性ということにより、不当に社会参加の機会が損なわれたり、不利益な取り扱いを受けたりといったようなことは絶対にあってはならないと認識しています。

当然ながら「すべての人々」「すべての区民」といった場合に、いわゆる性的マイノリティの方についても含まれているという認識でございます。

LGBTの周知と社会参加についてです。

今回、イベントへの参加(赤杉注:東京レインボーウィーク2014の一環として、2014年5月1日に開催された「トーク・オブ・レインボーウィーク」に、田中大輔区長が出演なさいました)を通じて、様々な方が触れ合って、言葉を交わし合って、理解を深め合うことが、全員参加型社会を作っていく上でも大変重要だという風に認識しました。

また、区長としてこれからどういったことをするべきかという点についてです。

人権をテーマとした啓発事業であるとか、区の職員研修などを通して広くマイノリティについて区民やあるいは職員が理解をする機会を増やして、偏見を排して、多様性を認め合える社会を作っていくための努力を行なっていきたいと思っております。 

7月2日、石坂わたるの一般質問について

 先日もブログに掲載しましたが、日付が変わって本日7月2日(水)の午後、私の連れ合いである中野区議会議員 石坂わたるが定例区議会本会議で一般質問を行ないます(石坂の登壇は午後3時台後半から午後4時台にかけてが予想されます)。

 今回の石坂の一般質問予定項目は以下のとおりです。


1.区長の所信表明と今後4年間の区政運営について
 (1)「全ての区民が参加し支え合うまちの構築」とLGBTについて
 (2)災害時にも平常時にも対応可能な、高齢者、障がい児・者、乳幼児親子支援における事業者や専門職団体などとの連携と、本人同意による情報の共有、職員スキルの向上について

先月(2014年6月)、中野区長選挙が行なわれ、現職の田中区長が四選されました。田中区長は今回の区長選公示直前に、LGBT当事者との意見交流会(政治や選挙の世界で言う、いわゆる「ミニ集会」)などを行ないました。田中区長は「今後ともLGBT当事者の意見を訊く機会を持ちたい」「必要な施策があれば、進めていきたい」と述べていました。

 自治体の首長選挙(都道府県知事選挙・区市町村長選挙)において立候補者がLGBT当事者向けのミニ集会を行なったのは、私が知る範囲でもおそらく過去にほとんど例がないと思います。

 そうした経緯を踏まえ、石坂の一般質問で「『全ての区民が参加し支え合うまちの構築』とLGBTについて」という項目を今回入れることにしました。

 もし、お時間に都合のつく方がいらっしゃいましたら、ご一緒に一般質問の傍聴ができれば、と思っています(私は午後2時30分頃から、他議員分も含めて傍聴予定です)。

 時間や場所などについては、先日のブログ記事をご参照いただければと思います。

西根由佳衆議院議員(日本維新の会)が、衆議院法務委員会で質問を行ないました

 去る3月15日(金曜)、衆議院法務委員会において、日本維新の会の西根由佳衆議院議員が、

・「外国人高度人材に対するポイント制による出入国優遇制度」に関連して、「外国人が帯同する、外国で法的に登録された同性パートナーが日本で配偶者として認められない」問題

・公務員や教員の採用試験において、LGBTを見つけ出すような心理試験が用いられているという問題

について質問で取り上げ、谷垣禎一法務大臣(自由民主党 前総裁)の見解を問う場面がありました。

 西根議員は、LGBTという言葉の説明も織り交ぜながら質問を行ない、質問の途中では「今後もこの問題について質問を行なっていきます」とおっしゃってくださいました。西根議員、本当にどうもありがとうございます!

 今年2月、私が共同代表を務める「特別配偶者法全国ネットワーク」の事務局メンバーで、国会議員会館の西根議員事務所を訪問させていただいたのですが、西根議員ご自身も秘書さんも、この問題についてとても真剣にお話を聴いてくださいました。今回の質問も、そういった西根議員の姿勢の表れだと思います。

 「公務員や教員の採用試験において、LGBTを見つけ出すような心理試験が用いられているという問題」については、「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」さんのブログ記事で詳しく記載があるので、このブログでは、「外国人が帯同する、外国で法的に登録された同性パートナーが日本で配偶者として認められない」問題についての質問と答弁の概要をアップします。正式な議事録がアップされていないので、あくまで概要なのですが、ご容赦ください。

*なお、西根議員の質問を含む、当該法務委員会の審議は衆議院インターネットTV アーカイブでも視聴可能です。当該問題についての西根議員による質問と谷垣法務大臣による答弁は、4時間49分くらいから始まります。


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(西根議員)
高度人材が帯同する配偶者についての質問。配偶者の要件は入管法には定めがないので、民法の解釈により異性の配偶者のみを認める運用だと聞いている。この理解で間違いないか?

(谷垣法務大臣)
入管の処理の上では、日本国の国内法によって配偶者と認められる者を配偶者として扱っている。

(西根議員)
同性愛者であるパトリック・リネハン米国大阪・神戸総領事の同性パートナー(カナダで同性婚を行なっている)に対して、2011年9月 日本政府が外交官の配偶者としてビザを出した。これは外交官だけへの特例か?それとも外国人高度人材に対するポイント制による入国優遇制度でも適用されるのか?

(谷垣法務大臣)
外交関係に関するウィーン条約「外交官の家族の構成員、その所帯に属する者は…」という扱いの中で認められている。そのため、外交官以外に影響を及ぼす措置ではない。

(西根議員)
激しい競争に晒されているグローバル企業(ゴールドマン・サックス、日本IBM、Googleなど)は、LGBTの人材に対するアプローチや、同性カップルへの福利厚生を打ち出している。LGBTへの無理解を続けると、優秀な人材を逃すという、企業の危機感の現れである。企業がグローバル競争を勝ち抜く、その環境を作るのが政府の役割と考えている。LGBTの権利が保障される社会を作るのが最終的な理想だが、まずは成長戦略の一環として、高度人材の同性配偶者帯同を検討してほしい。

(谷垣法務大臣)
成長のためにはどのような制度が必要かというのは極めて重要な視点であることは私も否定しない。現在、日本の家族法・親族法等々が、委員(=西根議員)のおっしゃるような方向ではないのは、やはり日本人の考える家族観と申しますか、そういうものが背景にあるという風に私は思っている。今後それがどういう議論になっていくかというのは、これからの課題だが、少なくとも現状においては、私どもは今の日本の民法あるいは入国法に従って判断するという以上にはお答えができない。

(西根議員)
この問題については、これからも質問を行なう。

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 谷垣法務大臣の答弁については、読み手によって意見が別れるとは思います。私の個人的な見解としては、安倍内閣の一員として閣内不一致にならないよう、踏み込んだ答弁ができなかったのかなとまず思います。

 その上で、自民党の中でも最も穏健保守というかリベラル保守である宏池会の流れを汲む谷垣法務大臣が、同性の配偶者について全否定ではなく、「今後それがどういう議論になっていくかというのは、これからの課題だが」と含みを持たせたところに意味があると思います。「よし、じゃ、これからまた頑張ろうじゃないの」と私自身のネジを巻き直すきっかけにもなりました(笑)。

 また、LGBT関連の質問が始まると、委員会室がざわめいていましたが、それでも果敢に質問を行なってくださった西根議員には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。委員会審議のアーカイブ映像を見るとわかりますが、委員会室のざわめきに戸惑っている西根議員に対して、「頑張れ!頑張れ!」と斜め後ろから応援の声を出していた辻元清美議員(民主党)にも本当に感謝。

 今回の質問に対して、もしかすると、「外国人のケース、しかも高度人材に限るのか」「人権の視点ではなく、グローバル企業や成長戦略にフォーカスを当てるのか」という批判があるかもしれません。しかし、政治は、絶対的な正しさの追求ではなく(もしそうだとしたら、「多様性の尊重」「共生社会」なんて絵に描いた餅です)、多様な人々が持つ利害や意見の調整こそが本義。LGBTが非LGBTからあるべき姿や正しさを押し付けられる謂われがないように、LGBTが非LGBTに対してあるべき姿や正しさを押し付ける謂われもないのです。

 決して100点満点ではないにしても、対立する利害や意見の人にとって乗りやすい方向から仕掛けていくのも、戦略の一つ。最初の一穴があってこそ、二の手三の手を仕掛けることができるのです。ましてや、質問の中で「LGBTの権利が保障される社会を作るのが最終的な理想」とおっしゃった西根議員は、そのことを良く分かっていらっしゃるはずです。

 あと一点。LGBTの中でも政治的な党派性は多様だと思います。しかし、日本維新の会の西根議員に、民主党の辻元議員が応援の声をかけていたように、この問題については、党派を超えて協力的な議員さんを各党に一人一人増やしていくことが大切。自分が支持する党派とは別党派の議員さんだとしても、素晴らしい質問や取り組みについては、党派を超えて謝意や応援の気持ちを伝えませんか?

 私も、自治体レベルながら議員の連れ合いをしているので実感があるのですが、議員さんやそのスタッフさんも人間ですから、やはり応援してくれる人のためには、もっと頑張ろうと思うわけです。批評もまた大切な行為ではありますが、「批評家」が非常に多くなったこの時代、感謝や応援の気持ちを素直に伝えることも大切にしたいです。

SYNODOS JOURNALでLGBT/同性婚関連の記事2本


「知のプラットフォーム」を謳うSYNODOSさんのブログ SYNODOS JOURNALにて、3月に入って、LGBT/同性婚関連記事が立て続けにアップされたので、お知らせいたします。



執筆:遠藤まめたさん
(「やっぱ愛ダホ!idaho-net」代表/「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」共同代表)
セクシュアル・マイノリティ/LGBT Q&A【基礎知識編】
http://synodos.livedoor.biz/archives/2032996.html

→とても分かり易い記述で、どんな方にもオススメです。



執筆:吉田徹さん
(北海道大学法学研究科/公共政策大学院 准教授)
フランスの同性婚法制化に政治の普遍をみる
http://synodos.livedoor.biz/archives/2033316.html

→政治学的見地から、フランスの同性婚を巡る動きについて考察・分析が行われています。



ご関心のある方は、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

ジェンダー法学会 学術総会を聴講しました

 この週末、早大キャンパスで開かれたジェンダー法学会 学術総会を聴講しました。8日は、旧知の仲である綾部六郎さんもコメントを行なった若手セッションを聴講しました。9日はハワイ州最高裁判事サブリナ=マッケナさんの特別講演やシンポジウム「セクシュアリティとジェンダー」を聴講しました。

 マッケナさんは高校卒業まで日本育ちで、ご自身がレズビアンであることを公言されているハワイ州最高裁判事。講演後にお話をさせていただいたところ、同性パートナーシップの法的保障を進めるのに大事なのは「アライを沢山作ること」。私も大いに納得。対話を大切に理解者を着実に増やしていきたいという想いを、あらためて強くしました。

 また、シンポジウム「セクシュアリティとジェンダー」の中では、私と一緒に特別配偶者法全国ネットワークで共同代表を務めている谷口洋幸さん(高岡法科大学)による報告「同性間パートナーシップの法的保障」があり、フロアからの質問もかなり寄せられていました。

 さらに同シンポでは、山下敏雅弁護士と新潟大学 田巻帝子さんによる報告「性同一性障がいの婚姻と嫡出推定」もありました。田巻さんには、今年6月の比較法学会ミニシンポジウム「同性婚」(報告者とコメント者)、そして7月の田巻ゼミで私が特別講義を行なった際に大変お世話になりました。

 個人的にはマッケナさんのお母様が北海道出身というポイントに親近感を覚えたり、お昼休みや日程終了後に友人・知人とワイワイガヤガヤ話しながら食事したのが楽しかった。初めて会う人でもたいてい共通の知人がいて、実のある話ができました。

[ツイートまとめ]オバマ大統領 同性婚支持報道に際して

 オバマ大統領 同性婚支持報道に際して、思うところを先日ツイートしました。流れて読みづらくなる前に、まとめてアップします。



日本で政治家やマスメディア関係者と会うと、「同性婚やパートナーシップ法に関する具体的なニーズや、具体的に必要としている層のボリュームは?」と尋ねられます。社会や政治にとって、同性パートナーシップの法的保障を必要とする人たちが「顔の見える存在」にならないと、状況は変わらないよね。
2012年5月10日 - 18:03 Echofonから


オバマ政権も個人的な信念以外にも、それによって得られる票があると思うからこそ、同性婚支持を打ち出すわけ。日本でも、「同性婚やパートナーシップ法支持を打ち出すことで、相当の票が得られる」と政治家や政党に思わせるような状況を作らないと、政治は動かないし、法律も変わらない。
2012年5月10日 - 18:12 Echofonから


自治体議員がごく身近にいて、強く感じること。議員って、顔と名前を出して意見を伝えようとする有権者に対して、真摯に向き合います。また、例え一人であっても、有権者の声があれば、議員としては、議会の場で取り上げることや行政に照会することも可能です(少なくとも自治体議会レベルでは)。
2012年5月10日 - 18:27 Echofonから


本当に同性婚やパートナーシップ法が欲しいならば、そろそろ、「海外の動き頼み」という局面から脱して、自分の住む自治体や国の政府を動かすことを考えてみませんか?顔の見える有権者や社会の一員として、議員や政党、そして行政に声を伝えてみませんか?
2012年5月10日 - 18:39 Echofonから


同性パートナーシップの法的保障に関する具体的なニーズ、必要としてる人々の数的統計、そして生の声。どれを取っても今の日本では不足気味。この問題に携わる人間の端くれとして自分の非力を反省しつつも、長期戦でニーズや声の掘り起こし、調査などに取り組んでいきたい。
2012年5月10日 - 18:46 Echofonから

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プロフィール

赤杉康伸

Author:赤杉康伸
赤杉康伸(通称:NOV)

1975年5月、札幌市生まれ。2001年3月下旬から東京在住。2001年3月、北海道大学大学院 法学研究科修士課程(専修、公共政策コース)を修了。

札幌・東京における性的マイノリティ中心のパレード運営に参画。その間、2004年7月には、共編著で「同性パートナー -同性婚・DP法を知るために-」(社会批評社)を出版。

現在、東京メトロポリタン ゲイフォーラム 共同代表。NPO法人 共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 理事。特別配偶者法全国ネットワーク メンバー。

当面は、近況報告や政治関連の記事をアップ予定です。「複雑な現実に向き合いながら折り合いをつけ、相手に『敵方』のレッテル貼りをせず、まずは対話を重視する政治」「多様な人々の、多様な利害を調整する政治」がモットー。

Twitterはこちら。メールはy.akasugi@gmail.com まで

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